椿事

 

 今年の四月初旬に京都を訪れた

 金閣寺龍安寺

 石庭で有名ですが、その方丈の裏側にある手水鉢の「知足の蹲踞(つくばい)」

 かつて茶室に入る前に、手と口を清めるために使われてた

 中央に空いている四角い穴を「口」の字に見立てることで、上から時計回りに「吾唯足知」と読める

   手水鉢を見て直ぐに椿の老木がある

 豊臣秀吉が賞賛したと言われている椿

 「侘助椿」と呼ばれている

 赤と白の斑の花

 苔の上に一輪 侘助椿が散っていたのを見た時は思わず手を合わせた

 椿に似ている山茶花(さざんか)

 違いは山茶花は花びらが散って行き、椿は花 その姿が散る

 今年も後残り10日余り

 

「逝く時は

  侘助の頃

   散りたき哉」

     椿翁