デコラ板

 

 僕は3人兄弟の末っ子(姉・兄・僕)

 子供部屋なんて当然無かったし、勉強机なるものも僕のは無かった

 それが、小学6年生の時にちゃぶ台みたいな折りたたみ式の机(横70cm 縦45cmぐらい)を買ってくれた

 表面がツヤツヤしてた

 お袋が云うには、「デコラ板」よ❗️

 今で云う「化粧板」である

 自分のものは無く ほとんどが兄貴のお下がりであった

 初めて自分専用の机❗️

 それからは真面目(不思議だけど⁉️)に一年間は勉強した

 部屋の隅っこに置いているデコラ板の脚を出して、先ず表面を磨いてから勉強

 幼かったし、まだまだ素直な時期であった

 あのデコラ板の模様は今でも脳裏に残っている

 あの時代、ほとんどが自分専用というのが無かった

 本❗️と云えば、親父は図書館に行け❗️と

 生物図鑑が好きだったのに買ってもくれなかった

 今、片喰(かたばみ)が桃色の花を咲かせている

 小さい頃は そこいらの草や葉っぱや花を口に入れていた

 片喰は「すいば」とも呼ばれていて、口に入れると とっても酸っぱい

 河原で今では失念したが 何がしかの根っ子を掘って食べていた

 あの時代、モノがなかったから何かして遊んだり 食ったりしてた

 飽食は幸せなことなのか⁉️

 空腹こそが最大の ご馳走であった

   飢餓翁😙