ゆらぎ

 

 若い頃から陶器に関心が高く、旅先では陶芸館や窯元を巡るのが愉しみである

 先日から「陶芸の美」なる本を読んだり眺めたりしている

 作陶家の古人や現代作家の顔写真と共に作品 それに作陶するにあたっての心意気を語っている

 若い作家の和田的氏の一言

「正確に直線を彫っても、手から何か伝わるものが絶対にあると信じている

 人の手が自然に生み出す"ゆらぎ"はエッジのきいた造形を優しく包みこみ、作品と人との距離を縮め、自己と向き合う時間へと導く」と

 この一文の中に出てくる「造形」

 この「形」と「型」を長年考え続けて来た

 「形」には「ゆらぎ」がある❗️

 裏千家の千玄室氏の動作に親近感と温もりを覚えるのは「型」ではなく 「形」=「ゆらぎ」が醸し出されているからかも⁉️

 自然界に存在する「ゆらぎ」が発見されたのは、ほんの80年ほど前

 電気的導体に電流を流した時の抵抗値が一定にならず、不安定に揺らいでいることによるもの

 光、音楽、電気信号など波長を持つものや、蝶、魚、風、炎など動くものは、波形や軌跡をフーリエ変換によって正弦波の和に分解できる

複雑な波形も、周波数(f:振動の多さ)やパワー(P:振動の幅)の異なる大小さまざまな正弦波が合わさったものであることがわかる

 これを周波数の小さい順に並べた時、パワーが傾き45度のきれいな反比例になるものを「1/f」ゆらぎを持つと云う

 形が分かり出すと自然が見えてくる❗️

     1/f翁