今朝、あおさ海苔を採りに行ったのに小潮だったから干潟は現れず、 只々 沖を眺めていた
穏やかな凪いだ海
漸く、周りが春めいて来た
沈丁花の蕾が膨らみ出した
この時期になると思い出すのが動揺の『春よ来い』
大正生まれのお袋が口ずさんでいた
「春よ来い 早く来い
あるきはじめた みいちゃんが
赤い鼻緒の じょじょはいて
おんもへ出たいと 待っている」
この歳に成ると、不意に昔のことが蘇って来るもんです
「土筆」や「蕨(わらび)」に「薇(ぜんまい)」を採りに畦道や山に行っていた あの頃
『 おんもにも
干潟にも
春来たる』
浅蜊翁