砂時計

 

 先日から時計について、あれやこれや諸々のことを調べている

 昨日もニュースでGoogle が自社ブランドのスマートウォッチ「Pixel Watch」を発売する!と

 現代人は正に究極の人工(管理)物を装着するのがステータスとなり、管理されるのに何等の違和感さへも感じなくなっている!

 時計の歴史を紐解いて行くと権力者の象徴が時計であった!と

 見えない時間を見えるようにして、民衆を同時に行動させようとした

 労働も戦争も時間をコントロールすることが権力者が権力者である根幹である

 砂時計の歴史を調べていたら、14世紀末に黒大理石の細かい粒をワインで煮干すことを繰り返してつくったことが記録として残されている

 14世紀になって描かれた絵によってようやく確認できる

 アンプロージョ・ロレンツェッティ画で1338年制作で掌に砂時計を持っている女性画

 その題名が[抑制]

 当時の思想家が語るには、「人間が従うべきあらゆる美徳のうちで、[抑制]が最も重要だ!」と

 「不屈、慎重、寛大、正義よりも優れたものなのだ。

 希望よりも、慈愛よりも優れているのだ。

 おそらく信仰にすら勝るもので、それどころか、その他の美徳はすべての美徳の中に含まれているのだった。

 抑制された生活を送れば、人は自動的にその他すべての美徳にも従って生きることになるのである」と

 閉鎖された容器の中で限定された時間量が砂となって落下し時間が消えて行く

 誰もが限られた時間の中で生きている

 それを示してくれたのが「砂時計」

 21世紀の今、正に14世紀の言葉が蘇って我々に示唆を与えてくれている

 作曲家のエリック・サティも友人に「人間は遣りたいことを遣り過ぎているのではないか?」と

 今こそ、人類は[抑制]という言葉を噛み締めて胃腑に収めるべき時ではないか?

     奔放翁