書道家であり、画を描き 詞を添え 新たな書画一体の境地を拓いた『榊 莫山』氏

榊氏は『土』という字をこよなく愛で書いてゐる

この歳になると漸く『土』が恋しくなりだした

陶淵明』の

「帰去来辞」

帰去来兮。田園将蕪、胡不帰。
既自以心爲形役、奚惆悵而独悲。
悟已往之不諌、知来者之可追。
実迷途其未遠、覺今是而昨非。

帰(かへ)りなんいざ。田園将(まさ)に蕪(あ)れんとす、胡(なん)ぞ帰らざる。
既に自ら心を以て形の役(えき)と爲(な)す、奚(なん)ぞ惆悵(ちうちやう)として独り悲しまん。
已往(いわう)の諌(いさ)められざるを悟り、来者の追ふ可きを知る。
実(まこと)に途(みち)に迷ふこと其れ未だ遠からずして、今の是(ぜ)にして昨(さく)の非なるを覺る。

『帰去来兮

芽吹きを

待つばかり』

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土翁