松永伍一氏の『老いの品格』なる著の中で歌人の窪田空穂の辞世の歌を紹介してゐる
『まつはただ意志のあるのみの今日なれど 眼つぶれば まぶた重し』
「この歌は死の四日前のである。意識も朦朧としているに違いないが、意志だけを頼りにして最後の生を生きようとする老歌人の凄まじさを思う」と
僕自身に置き換えてみるに、老化には段階があり、肉体的な衰えを自覚したのは60歳、精神的な衰えを覚えたのは65歳
鍼灸の経絡(けいらく)とは、人体の中の気血栄衛の通り道として考え出されたもの
経脈は縦の脈、絡脈は横の脈の意
その経絡の流れの一つに「足の太陽膀胱経」と喚ばれる経があります
その経の中に「魂門(こんもん)」と「魄戸(はっこ)」という名のツボがある
『たましい』には二種類あって
「魂」は精神的活動
「魄」は肉体的活動
『魂魄』は生きている間は一体であるが死後すぐに分離し、魂は天界に入るが、魄は地上をさまようとされています
正に、老いとは「魂魄」の衰え
肉体的「魄」の衰えは如何ともし難いが、精神的「魂」は窪田空穂の如くありたいものである
脱け殻翁🙃👷