この時期だから「きく」と言ったら「菊」を思い浮かべるのでしょうが、今日のは動詞の「きく」
「聞く・聴く・訊く・効く」があり「利く」もある
この「きく」を受け止めるには、先ず こちらが沈黙をせねば、汲み取ることは出来ない
「利き酒」なる言葉があるが、視覚・嗅覚に舌触りで酒の判断を下す
日本には茶道のように、香りを嗅ぐ「香道」があります
この香道では、香りを嗅ぐとは言わず「香りを聞く」と言います
源氏物語全54帖のうち、桐壺と夢の浮橋の2帖を除く52帖の巻名が一つ一つの図に附されている
第14帖に「澪標(みをつくし)」
「みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける えには深しな」
叫喚の人々には香は聞こえじ
寡黙翁